雛人形!道具の名前と意味は?並べ方はどうする?
親から、雛人形をもらったはいいけれど、
いざ並べようとしたら、知らない道具がたくさん…
あなたは、こんな悩みを抱えていませんか?
今回は、そんな雛人形の道具に関して、多くの人の頭に、
「?」マークが浮かびがちなアイテムの、名前と意味、
さらには、その(人形も含めた)並べ方についてまとめました。
目次(もくじ)
雛人形の、道具の名前と意味!並べ方はこれ!
ここでは、一般的な七段の雛人形を取り上げ、
一番上から順番に、代表的な道具の名前と意味、さらには、
「五人囃子は左から順番に、どの道具(楽器)を持った人形を、
並べていくのか」
といったような、疑問に答えるべく、人形の並べ方についても、
言及していきます。
それでは早速、雛人形のメインとなる、一段目から見ていきましょう!
一段目(お内裏様・お雛様など)
一段目に置くのは、もちろん主役の2人、お内裏様とお雛様です。
一般的な雛人形(関東雛)の場合は、お内裏様を向かって左に、
お雛様を向かって右に置きます。
置くときは、下に親王台(しんのうだい)と呼ばれる、
畳のようなものを、引いてあげてくださいね。
主役の2人を置いたら、あとは2人の後ろに、外から部屋の中が、
見えないようにするための、金屏風(きんびょうぶ)をセットし…
2人の両端には、ひな祭りの歌でもおなじみの、雪洞(ぼんぼり)を、
立ててあげましょう。
この雪洞、灯りが「ほんのり」とともるという、語呂あわせから、
名づけられたとも、言われているんですよ。
最後に2人のあいだに、紅白の梅を、瓶子(へいし)にさし、
それを、三方(さんぼう)にのせた、三方飾りを置けばカンペキです^^
三方は、三宝(さんぽう)と呼ばれることもあり、
おもてなしに使われる、台のこと。
台の3ヶ所に、くりぬかれた穴があることから、
この名前がつけられたといわれています。
二段目(三人官女など)
二段目は、ざっくり言うと、お内裏様やお雛様の、
普段の雑用係である、三人官女(さんにんかんじょ)。
雛人形のセットによって、
- 立っている人形×1体と、座っている人形×2体
- 座っている人形×1体と、立っている人形×2体
のどちらかになっていると思うので、1体の人形を真ん中に、
残りの2体を、両脇に置いていきます。
2体の左右をどちらかにするかは、人形の足に注目。
2体の人形はそれぞれ、前に出している足が逆になっているはずなので、
人形を置いたとき、外側(段の端側)の足が、前に出るように、
セットするようにしましょう。
ちなみに、左側の官女に持たせるのは、提子(ひさげ)と呼ばれる、
白酒を入れるための、鍋のような容器で…
右側の官女に持たせるのは、長柄(ながえ)と呼ばれる、
盃(さかずき)に、お酒を注ぐもの。
さらに真ん中の官女には、先ほどもご紹介した三方(さんぼう)、
あるいは、お祝い事の際の飾り物である、島台(しまだい)を持たせます。
真ん中の官女だけ、歯が黒く、まゆが無いように見えるのは、
決して不良品ではなく、既婚女性であることを表している証拠です^^
最後に3人のあいだに、高杯(たかつき)と呼ばれる、
上に紅白の二段重ねのお餅などをのせた、脚のある器を置けば完成です!
三段目(五人囃子)
三段目に位置するのは、おめでたい席を、一層賑やかにしてくれる、
五人囃子(ごにんばやし)たち。
こちらは、向かって左側から、
- 太鼓(たいこ) … 床に置くタイプ
- 大皮鼓(おおかわづつみ) … 手に持つタイプ
- 小鼓(こづつみ) … 肩に抱えるタイプ
- 笛・能管(ふえ・のうかん) … 「ヒシギ」と呼ばれる、高い音が特徴
- 扇(おうぎ) … 唯一の、謡(うた)い手!
この順番に、並べてあげるようにしましょう^^
四段目(随身など)
四段目の2人は諸説ありますが、随身(ずいじん)と呼ばれる、
お内裏様たちを守る、警護係。
年配で身分も高い、黒い衣服を着た人形の方が、
向かって右側にくるように、並べてあげてください。
2人とも、立派な弓を持っていて、特に年配の随身の方は、
三国志に出てくる老将、黄忠(こうちゅう)を思い起こさせます^^
さらに2人の間には、2人のすぐ隣に、懸盤膳(かけばんぜん)と呼ばれる、
豪華な装飾がほどこされた、高級なお膳を…
中央には、菱餅(ひしもち)をのせた、菱台(ひしだい)と呼ばれる台を、
それぞれ2つずつセットすれば、OKです。
最近では、4枚5枚の菱餅も見られますが、一般的な3枚の菱餅は、
下から「白・緑・赤」の配色になっており…
これは、一説には、
「雪から(白)芽を出して(緑)、花を咲かせる(赤)」
といった様子を表している、とも言われているんですよ。
五段目(仕丁など)
五段目は、宮廷内の雑用をこなしている、仕丁(しちょう)たち。
3体いるうちの2体は、それぞれ片袖に色がついていると思うので、
色がついている方の袖が外側になるように、この2体を端に配置します。
ちなみに、向かって左側の仕丁には、熊手(くまで)を、
真ん中の仕丁には、ちり取りを、右側の仕丁には箒(ほうき)を、
持ってもらいます。
さらに、段の一番向かって左端に橘(たちばな)を、
右側に桜(さくら)をセットすれば、五段目の完成です。
よく、「右近(うこん)の橘、左近(さこん)の桜」という、
言葉を聞きますが、それはまさにこのこと。
「ん?でも、橘は左側にあるけど…」
と思った方も、いらっしゃるかもしれませんが、
この場合は、お内裏様やお雛様から見て、左側ということですね^^
六段目(嫁入道具揃)
六段目は、お雛様が嫁ぐときの、嫁入り道具の数々である、
嫁入道具揃(よめいりどうぐぞろい)。
近くで見ると、細かいところまでしっかりと作り上げられていることが、
よく伝わってきます。
- 箪笥(たんす) … 昔は身分の高い人しか、持てませんでした
- 長持(ながもち) … 服や寝具を入れるための、長方形の大きな箱
- 表刺袋(うわざしぶくろ) … カンタンに言うと、長持の袋バーションですね
- 火鉢(ひばち) … 中に灰を入れて暖をとる、今で言う暖房です
- 針箱 … 昔は全て手作り。裁縫箱は欠かせない!
- 鏡台 … 女子たるもの、身だしなみは超重要!
- 茶道具 … 昔の女子の「たしなみ」
七段目(御輿入れ道具)
いよいよ最後の七段目、御輿入れ道具(おこしいれどうぐ)。
お姫様と、嫁入り道具をのせて行く、駕籠やクルマの数々です^^
- 御駕籠(おかご) … 人をのせる道具です
- 重箱(じゅうばこ) … こちらは、食べ物を入れるもの
- 牛車(ぎっしゃ) … 牛が引く車。平安時代の貴族の一般的な乗り物
これで、雛人形の飾りつけは完成!
お疲れさまでした^^
まとめ
いかがでしたでしょうか。
こうやって少しずつ見ていくと、それぞれの人形や道具に、
きちんとした意味が込められているのが、よく分かると思います。
お子さんが、今回ご紹介したような、お雛様やお内裏様以外の、
お人形や道具に、興味を示したら…
ぜひ、この記事を参考に、
わかりやすく説明をしてあげてくださいね^^